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盲人の視覚野

「認知発達と進化」
P139 視覚障害者における点字を担う神経回路 からの要約

盲人と晴眼者に対し、同一の非点字性触覚弁別課題を遂行させたところ、盲人では、一次視覚野を含む後頭葉腹側が賦活化される一方、二次体性感覚野は抑制されていた。
晴眼者では、後頭葉腹側が抑圧、二次体性感覚野が賦活化されていた。
長期にわたる視覚入力の遮断にもかかわらず、視覚野の機能性を保っていること、触覚弁別処理が、その本来の入力を受ける領域以外のところ(視覚野)で処理されるうることが示された。



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tag : 視覚野 盲人

方位選択性と生体内ノイズ

「認知発達と進化」
P105 一次視覚野における自己組織的学習 からの要約

一次視覚野には特定の方位の線分に対して選択的に反応する細胞が存在する(方位選択性)。
垂直方向の線分しか見ることができないような環境下で仔猫を育て、一次視覚野に微小電極を挿入して神経活動を測定、大半の細胞が垂直方向の線分に対して反応し、水平の線分には反応しなかった。
この結果は、神経細胞の方位選択性の形成過程が、環境に全面的に依存しているように見える。
ところが、生後すぐのマカクザルの一次視覚野を微小電極を用いて調べてみると方位選択性を示す神経細胞が存在する。
これは方位選択性が遺伝的に決定されているように見える。

方位選択性の形成過程は生体内部のノイズ(神経細胞の自発的活動)に依存しているという新しい見方が田中繁によりもたらされた。

1) シナプス間の競合によってシナプス数の増加はシナプス密度が高いほど抑制され、その結果シナプスの密度はある値に収束する。
2) シナプスの安定化に必要な「シナプス前因子」は、神経細胞またはその近くのグリア細胞で合成され、軸索を通って輸送される。
3) シナプス前側と後側の神経細胞が同時に活動することによってシナプスが安定する(Hebbの学習規則)。

この仮定に基づきシミュレーションを行った結果、視覚経験が全くなくても、生体内部のノイズによって神経細胞の方位選択性が自己組織的に形成されることがわかった。
一方、シナプスの可塑性は生後も損なわれないので、方位選択性は生後も損なわれないので、方位選択性は育つ環境に応じて変化する。

これは発達を「遺伝と環境の相互作用」として捉える従来の見方に「生体内ノイズ」と言う新しい要因を付け加えるものである。



tag : 方位選択性 一次視覚野

記憶を関連づける神経細胞集団の仕組みを解明

記憶を関連づける神経細胞集団の仕組みを解明

CTA記憶とAFC記憶の両記憶間の高次連合は、連続した同調想起により扁桃体で生じる記憶痕跡細胞集団の重なりによって引き起こされていることが明らになりました。加えて重要な点として、記憶の連合のみに関与し、元々の記憶の想起には必要でない記憶痕跡細胞集団が存在することが明らかになりました。


1)味覚嫌悪学習(CTA)
条件刺激  :サッカリン水溶液(甘い水)
無条件刺激 :塩化リチウム(内臓倦怠感を引き起こす)
獲得した記憶:サッカリン水溶液を忌避

2)音恐怖条件付け(AFC)
条件刺激  :ブザー音
無条件刺激 :足への電気ショック
獲得した記憶:ブザー音を聞くとフリージング(すくみ)反応

3)異なる記憶同士の連合学習
条件刺激  :サッカリン水溶液とブザー音
獲得した記憶:サッカリン水溶液を飲むとフリージング反応

・連合学習を行った群で両記憶を担う記憶痕跡細胞集団の重複率の有意な増加
・連合学習の想起時に光照射で重複細胞集団の活動を一過的に抑制、サッカリン水溶液によるフリージング反応が低減
・活動抑制は元々のCTA記憶、AFC記憶の想起には影響なし
・記憶の連合のみに関与し、元々の記憶の想起には必要でない記憶痕跡細胞集団が存在

おもしろい結果である。まだ私が理解できないのは、ジョセフ・ルドゥーの「シナプスが人格をつくる」に条件付け味覚嫌悪(CTA)は、

…意外だったのは、食べたのが病気を引き起こされる何時間前であっても、その食べ物に対する嫌悪が生じたことだ。


とあった。この記憶のメカニズムは解明できているのだろうか。

tag : 味覚嫌悪学習(CTA) 音恐怖条件付け(AFC)

私のワーキングメモリは少ないのかもしれない

本を読んでいるとよく以下のフレーズが出てくる。

・・・
前者は・・・で、後者は・・・である。

このフレーズが出てくると、私は大抵そのフレーズの前の文章を何度か読み返し、何が前者で何が後者かを確認しなければならない。
私のワーキングメモリは、他の人よりも少ないのかもしれない。
前者と後者に該当する部分を識別できるように工夫してもらい、さらに矢印でどれが前者でどれが後者かを指し示してほしい。

tag : ワーキングメモリ

赤ちゃんはなぜサルの顔を識別できるのか

9ヶ月以前のヒトの赤ちゃんは、サルの個体識別ができるという。ヒトの大人は飼育員だったり、よほど個体に違いがなければ識別できない。

識別できているかどうかの実験方法は、まずサルの写真を赤ちゃんにじっくり見せ、次に違うサルの写真を見せる。赤ちゃんは新規刺激に注視する傾向があり、新規の写真のほうをより注視することから、識別していると判断している。
大人の場合は、どちらも均等に見ることから識別できていないと判断される。

なぜこのようなことが起こるのか。
私の仮説は、赤ちゃんにはまだサルの明確な長期記憶がないからだと思う。
サルの長期記憶が明確にできていないため、どちらのサルの写真も新規刺激なのである。
大人の場合は、どちらの写真からもサルの長期記憶が想起されるため、どちらも新規刺激とはならない。

てんかん手術で海馬を切除したことにより、健忘症(手術2年以上前のことは覚えているが、手術後の出来事は数分前のことも記憶できない)となったH.M.氏は、後年鏡で自分の顔をみると驚愕したという。鏡には自分の顔が映ることを予測(若いころの自分)したが、鏡の中の自分の顔と一致せず、鏡の顔が新規刺激となったためであろう。

赤ちゃんがサルの個体識別できるのも、これと同じ原理ではないだろうか。

tag : 赤ちゃん サル 個体識別

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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