夢が記憶に残らないのはなぜ?その2

目が覚めたらなぜ「夢」は忘れてしまうのか?
──夢が記憶に残らない理由


こちらの説によると、

記憶は人間が生きるために存在していますが、の中の現象や行動は現実の生とかけ離れているからです。そのため、目が覚めるとほとんど記憶していないのです。


とあるが、科学的説明にはなっていないと思われる。
例えば覚醒時の行動を伴わない単なる思考・妄想でも十分記憶可能である。



Newtonの2012/5号を立ち読みしたところ、睡眠中外部刺激は視床でブロックされ(大脳皮質まで届かない)、また判断など行う前頭前野の部分の活動は低下しているそうである。

この2つが夢と記憶の関係に大きく関係しているようだ。

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tag : 記憶

やさしき動物たち

ネズミは仲間見捨てない(2011年12月9日 読売新聞)

 自分は得するわけでもないのに、困っている仲間を助ける。他人の感情を共有するそんな「共感」の能力をラットも備えていることが、米シカゴ大学チームの実験でわかった。

 実験では、まず、わなの扉を外から頭で押して開けられるようにラットを訓練。そして1匹のラットをわなに閉じこめると、訓練を受けたラットは扉を開けて仲間を救出した。

 わなの外にチョコレートがあるときも、自分が独り占めできなくなるのを承知でラットは扉を開けてやった。


チンパンジー、状況に応じ手助け(2012年2月7日 毎日新聞)

食べ物を分け与えるなどの利他的行動は多くの動物で観察されている。しかし、他者の気持ちを推し量り、その要求に応える心の働きは人間特有と考えられていた。

 グループは透明板で仕切った小部屋A、Bを用意し、道具の受け渡しができる穴を開けた。Aには、ストローで吸うかステッキでたぐり寄せるか、どちらかの方法だけでジュースを飲めるようコップを置き、Bには、ストローやステッキのほか、はけやロープなど不要な物も含め七つの道具を置いた。

 Aのチンパンジーが穴から隣に手を差し入れてBのチンパンジーに助けを求めると、Bは隣室の様子を見て何が必要かを考え、ストローかステッキを手渡した。3組の母子で観察を繰り返すと、約7割で正しい道具を選択した。


類人猿ボノボにも「絆」(2012年3月10日 読売新聞)

 研究チームは昨年9月、地元住民がイノシシなどの捕獲のために設置したわなにかかったボノボのオスを観察。指が針金で締め付けられ、うずくまるオスを、仲間の7頭は毛繕いするなどして見守っていた。

 夕方になると、仲間のボノボは動けないオスを置いて、寝場所の森に帰ってしまったが、翌朝、約1・8キロ・メートル離れた同じ場所に15頭で戻った。そこには、エサはなく、15頭は傷ついた仲間のオスを捜す目的でやってきたらしい。オスは既にわなを付けたまま移動しており、15頭はあきらめて別の場所にエサ探しに出かけた。



私とどちらがやさしいだろうか。

「やさしき動物たち」というと科学者に擬人化として非難されるかもしれない。確かに人間のやさしさと動物たちのやさしさは全く同じものではないかもしれない。またそれは単なる本能であるかもしれない。

しかし様々な感覚・知覚能力、記憶・学習能力、判断、運動能力は、進化的に引き継がれたものであり、やさしさなどの感情も引き継がれたものではないか。また人間のやさしさも先天的(本能)に備わってるのかもしれない。

tag : ラット チンパンジー ボノボ 擬人化

脳科学の定説

ヒトの脳にはニューロンがどのくらいあるか

ニューロングリア比が1:1ってのはけっこう重要な話で、上述のFrontier誌を読んだところ、これまで信じられていた1:10というのはほとんど根拠がないうえに、神経神話「人間は脳の10%しか使えていない」の元となっている可能性があると。



ウェルニッケ野の新たな位置」にもあるように、従来の説が見直され、これまでの(特に古い)定説はどんどん覆されている。

ニューロンはこれまで大脳皮質で140億個、脳全体で1000億個などといわれていたが、Azevedo et.al. 2009では脳全体は860億個、そのうち大脳皮質が19%(=163.4億個)。

脳科学の定説は、鵜呑みにできない。

tag : ニューロン グリア

次の人工知能の闘いの場は「クロスワードパズル」 ?

クロスワードパズルを解く人工知能「Dr. Fill」はニューヨークで開催されたクロスワードパズルの大会に参加、600 人もの (人間の) 参加者たちと対戦することになった。しかし、「Dr. Fill」の参戦結果は 141 目の塗りつぶしでギブアップすることになった。


次の人工知能の闘いの場は「クロスワードパズル」

優秀な人材がこの手の課題に取り組むのは、非常に無駄なことだと思う。

tag : クロスワードパズル 人工知能

心は物質の変化に基づいている

記憶が特定の脳神経細胞のネットワークに存在することを証明
―自然科学で心を研究、心は物質の変化に基づいている―


研究手法と成果

研究グループは、マウスが新しい環境について学習しているときだけ活性化した海馬の中の脳神経細胞群を特定しました。さらに、、どの遺伝子が活性化したかを同定し、この遺伝子と、光遺伝学で使われる光活性化タンパク質「チャネルロドプシン2 (channelrhodopsin-2、ChR2)」の遺伝子を結合しました。次に、海馬体歯状回(dentate gyrus of the Hippocampus)の脳神経細胞にこの結合した遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製し、その細胞を小型の光ファイバーを通して光で刺激できるようにしました。

このトランスジェニックマウスをある環境におき、探索的な動きを数分間続けさせた後、足に軽いショックを与えました。マウスは、この環境はショックが来るぞということを学習します。この学習のために活性化した細胞は、ChR2で標識化されます。これは、特定の経験に対応した特定のエングラムに関わる神経細胞の物理的なネットワークを標識化することになります。その後、別の環境にマウスを移し、標識化した細胞に光パルスを与えると、「もとの環境とショック」の記憶に関係する神経細胞はオンの状態となり、マウスはたちまちこの記憶の最も顕著な兆候であるすくみ(不動でうずくまった姿勢)を示しました

光で誘発されたすくみは、マウスがこの環境でショックを受けたという記憶が実際によみがえったことを示すもので、人為的に呼び起こされたものです。博士研究員シュ・リュウは「私たちの実験結果は、記憶がまさに特定の脳神経細胞に存在することを示しています」と語ります。また、ペンフィールド博士の観察以来科学者が疑問に思っている記憶の呼び出しについて、「光のような物理的手段で特定の細胞を単に再活性化すると、全ての記憶をよみがえらすことができます」と説明しています。

こうして、記憶が実際に特定の脳神経細胞のネットワーク内に存在することを実証し、その小さな部位を物理的に活性化して記憶の全てをよみがえらせることに成功しました。



ここで使われている学習は、古典的恐怖条件付けではなく、「新しい環境」という文脈性恐怖条件付けである。古典的恐怖条件付けは海馬には依存しないが、文脈性恐怖条件付け海馬に依存する。

光遺伝学オプトジェネティクス)については『「人工記憶」とオプトジェネティクス』を参照されたい。

この実験は、学習時に活性化した細胞を、学習時とは別の環境で光刺激することにより、記憶が想起されたことを示している。しかし記憶の獲得と想起で、本当に同じ細胞が関わっているのであろうか。いまひとつわからない。古典的恐怖条件付けのように、文脈性恐怖条件付けの回路も特定して欲しい。

関連記事:
扁桃体でのLTPと記憶の関係
「人工記憶」とオプトジェネティクス
海馬CA3と記憶の想起
海馬CA1と記憶の獲得

tag : 記憶 海馬 光遺伝学 オプトジェネティクス 文脈性恐怖条件付け

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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