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大脳皮質における自発発火とゆらぎとスパイクタイミング依存可塑性(STDP)

Clinical Neuroscience Vol.34 (16年) 08月号 ディープラーニング―人工知能は脳を超えるか

「対数正規分布するシナプス結合の意味」が面白かった。

大脳皮質における神経活動の非常に興味深い点は、各神経細胞のスパイク発火時刻が、全くランダムなタイミングで不規則に生成されているように見える点である。その間、各神経細胞の膜電位も、静止膜電位と発火閾値の中間程度まで上昇して強くゆらいでいる。…
さらに興味深いことに、膜電位の揺らぎと不規則な発火活動は、神経ネットワークが外部から何の入力を受けていないときにも持続的に観測される。…
ここで注目すべきは、自発ゆらぎの生成と維持が神経系では非常に困難な点である。まずネットワークから単離した単一の神経細胞は、自発活動はほとんど行わず、さらに定常入力に対して正確なタイミングで規則的に応答することが確認されている。このため単一神経細胞の性質からは、自発ゆらぎを説明できない。多数の神経細胞のネットワークを組むことで、自発発火を集団として維持することも可能だが、ネットワーク中の不規則発火は不安定化しやすく、多数の神経細胞が同時発火する発作的な状態に簡単に移行してしまう。
つまり自発ゆらぎの存在は自明ではない。それどころか発作的な同期発火を引き起こす危険性すら伴っている。それにもかかわらず我々の脳内で自発ゆらぎが持続している事実は、神経ネットワークが自発ゆらぎを維持する何らかの構造を備えており、ゆらぎが大脳皮質の情報処理にとって重要な役割を果たす可能性を強く示唆するように見える。

その鍵の一つが、シナプス結合強度の対数正規分布である。最近の研究によって、少数の非常に強いシナプス結合と多数の弱い結合が共存することで、一般には不安定な自発ゆらぎが安定して維持されることがわかってきた。…

大脳皮質の各領野が実現する機能の多くは、未知の入力や未来など、何らかの推定問題として定式化できる。大脳皮質はこの推定問題を、経験に基づいた教師なし学習によって解決している可能性が高い。…
不均一なシナプス結合や神経活動のゆらぎは、この機能の実現に重要な役割を果たしている可能性が高い。大脳皮質のゆらぎの性質と合致する有望な仮設の一つが、「大脳皮質のネットワークは外界の生成モデルに対応しており、確率的なスパイク発火活動は、その生成モデルからのサンプリングである」というものである。…
この仮説に基づく最近の研究によって、ゆらぎを伴うスパイク発火活動が、マルコフ連鎖モンテカルロ法のような高次元の確率分布からのサンプリングを可能にすること、生成モデルの確率分布が、スパイクタイミング依存可塑性(STDP)に近いシナプス可塑性で実装できること、さらに、この仮説を実装した簡単な数理モデルによってnoize correlationなどの神経活動のゆらぎの性質が矛盾なく説明できることが報告されている。


人工知能のさらなる飛躍には、スパイクタイミング依存可塑性(STDP)は必須と思われる。
それを可能にすると思われる自発発火とゆらぎの環境、自発発火とゆらぎを生み出すと思われる「対数正規分布するシナプス結合」。
バックプロパゲーションによる学習のみでは限界があるであろう。
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tag : 対数正規分布するシナプス結合 ゆらぎ 自発発火 スパイクタイミング依存可塑性 STDP

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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