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人工知能の課題

下記引用のように、人工知能実現のために最も重要と思われる、記憶、学習、記号化といった脳のメカニズムはまったく分かっていないと諦め、その部分は棚上げにしているのが問題であり、課題である。

言語と知能—言語はどのようにして創られたか?—


 言語の発展史の上で最も重要な出来事は、原始概念の形成と原始言語の生成という初期の出来事と、それが発展していった結果、記号化が行われたことの二つである。前者はニューロンによる情報変換の機能、後者は情報記憶の機能という、生物に固有の生体機能の中の異なる情報処理機能に立脚している。このうちニューロン機能については(相対的には)多くのことがわかってきて、モデル化されるまでになっており、その知見に基づいて第一の論点である原始概念・原始言語について論じることができる。一方、記号化と記憶の機構は今日、脳科学や神経科学などで重要課題とされているが、同じ生体機構であるニューロンでの情報処理に比較して、いまだ全くといってよいほど解明されていない。そのため言語の進化的発展のプロセスをモデル化することによって理解する試みの中で、この部分は空白である。この前後で概念と言語の処理方式は全く異なるが、機構がわからないままに、記号化の過程は不問のまま、記号化後の言語の議論をするほかない。本書においても残念ながらこの記号化部分のモデル化はできないままである。



ミンスキー博士の脳の探検 ―常識・感情・自己とは―


 今日においても、脳の記憶の痕跡をどのように作るのか、そして後々、その記憶をどのように引き出し≪再生≫するのかについては、いまだにほとんど解明されていない。個々の脳細胞の振る舞いについては、現時点で多くの知見が得られているが、これらの細胞がどのように組織化され、過去の出来事に関する記憶を表現し、そしてより大きな構造になるのかについては、極めてわずかのことしか示されていない。さらに、私自身の内省についても、これらのプロセスに関する詳細は説明されていない。私たちが一般に言えることは単純であり、自分の身に起こったことを≪覚えている≫ということである。(P331)



脳に宿る心―認知科学・人工知能から神秘の世界に迫る


 6.1節では、μエージェントはを与えられたものとして議論を進めた。当然のことながら一つのμエージェントは、いくつもの神経細胞の回路で構成されている。長い人生を通じて神経細胞の生成、消滅がどのようにμエージェントの生成、消滅にかかわるかは、考えておかなければならない問題である。神経細胞は、小児期に他の細胞の分裂、分化によって増殖し、成人ではそのような活発な増殖は起こらないと言われている。生成された神経細胞は、軸索を伸ばして他の神経細胞と結合し、次第に回路を構成していく。μエージェントについても成長と学習が進むにつれて内部の回路構成ならびにデータの蓄積が進むものと推定できる。しかしながら、具体的な成長・学習過程は明らかではない

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テーマ : 意識・認識・認識論
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 人工知能 認知科学 ミンスキー 記憶

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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