脳内プロセスの記号接地

「知っている/知らない」の脳内プロセスは以下のように行われていると思われる。

1) Xを見る(またはXという言葉を聞く)。
2) Xがワーキングメモリに格納される。
3) ワーキングメモリに格納されたXと、自身の記憶が照合される。
4-1) 見つかった場合は”知っている”と判断される。
4-2) 見つからない場合は”知らない”と判断される。

このとき「知っている/知らない」という言葉を知らない(学習していない)段階でも、2~4のプロセスは脳内に存在する。

「知っている/知らない」という言葉の意味は、2~4のプロセスであると、理屈としてではなく経験として学習する。

つまり先にその言葉の意味するところの脳内プロセスが存在し、そのプロセスに言葉がマッピングされる

一般的な人工知能の場合は、2~4のプロセスをシステムに実装するが、実装されたシステムが、そのプロセスが「知っている/知らない」という言葉の意味であると学習する仕組みは組み込まれていない。また人工知能とヒトの2~4のプロセスは、そもそも全く違う仕組みである。

ヒトの場合は、2~4のプロセスは実装されており、そのプロセスが「知っている/知らない」という言葉の意味であると、後天的に学習できる(マッピング)仕組みも組み込まれている。

2~4のプロセスのうち、ヒトの意識に上るのは、2と4で3は意識できない処理と考えられる。しかし3の最中でも4の結果が出るまで、2のプロセスは保持される。

意識に上った2と4-1のペアを「知っている」という言葉とマッピングさせ、2と4-2のペアを「知らない」という言葉にマッピングしていると考えられる。

言語習得以前に、その言葉の意味する脳内プロセスは既に存在し、後天的に言葉がマッピングされると思われる。ただし脳内プロセスは発達により変化拡張し、既に獲得した言葉によっても新しい脳内プロセスが拡張される。

失語症は、このマッピングに障害が出たもので、2~4のプロセスは存在している(意識はある)が、それを言葉にマッピングできないことではないのだろうか。

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tag : 意識 言葉 言語 脳内プロセス 失語症 記号接地

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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