IBMのSyNAPSEプロジェクト

以前読んだ記事で、さして面白いと思わなかったが、やはり気になるのでメモしておく。

IBMがコグニティブ・コンピュータ向けチップを試作、脳の構造を再現

 米IBM社は2011年8月18日、「コグニティブ・コンピューティング・チップ」を試作したと発表した(発表資料)。コグニティブ・コンピューティングとは、人間の脳のように経験から学び、異なる事象間の関係性を見つけ、仮説を立て、記憶する機能を備えたコンピュータの概念。既存のフォン・ノイマン型コンピュータとは異なる、新しいコンピュータの開発を目指したもので、大幅に小型で低消費電力の演算回路の実現が狙いである。

 今回開発したチップは、神経生物学の知見に基づいて、ニューロン(神経細胞)とそれをつなぐ一種のスイッチであるシナプスから成る脳の構造を模した「ニューロシナプティック・コア」を備える。もっとも、有機材料などを用いているわけではない。Si材料でシナプスを再現することでメモリ機能を、ニューロンを再現することで演算機能を、そして軸策を再現することで通信機能を実現した。

 具体的には、IBM社は2種類の同コアを試作した。共に45nm SOI-CMOSプロセスに基づき、256本の「ニューロン」を備える。ただし、「シナプス」については、一方がプログラム性を備えたものを26万2144個実装したのに対し、もう一方は学習機能を備えたものを6万5536個実装した。

 そしてこれらにより、あらかじめ用意したプログラムなしに動作し、しかも分散処理、さらには並列処理を実行する脳の機能を実現した。既に、パターン認識、連想記憶、分類などの簡単なアプリケーションに使えることを確認したという。

 IBM社は将来的には、ニューロンを数百億個、シナプスを数百兆個備えながら、消費電力は1kW程度、体積は2リットル程度に収まるようにすることを目標とする。

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ニューロンの数を256「本」だったり数百億「個」だったりと違う単位で記述している怪しい記事。
「あらかじめ用意したプログラムなしに動作」する生物は存在しないので、そんなチップはありえない。プログラムという言葉の意味するところが、私と違うのかも知れないが。
「パターン認識、連想記憶、分類などの簡単なアプリケーション」は、チップでなくてもソフトウェアで「使えることを確認」されている。


IBMが人間の脳を模倣して学習し環境に適応するコンピュータチップを発表

IBMが人間の脳を模倣して知覚や認知を行う、新世代のコンピュータチップを開発したことを発表しました。

高度なアルゴリズムとシリコン回路を使用して、人間のように経験から学習し、相関関係を発見し、仮説を立て、成果を記憶する「認知コンピュータ」をIBMは構想しているとのこと。今回の発表では、すでにそのプロトタイプのチップ2つが作成され、現在テストを受けていることが明らかにされています。

IBM Press room - 2011-08-18 IBM Unveils Cognitive Computing Chips - United States

現地時間の8月18日に発表されたプレスリリースによると、IBMは各大学の共同研究者とともに、ナノサイエンス、神経科学、スーパーコンピュータという複数分野の原理を組み合わせてこの開発を行ったとのこと。IBMは、この「SyNAPSE」と呼ばれるプロジェクトに対して、次の開発ステップのために、国防高等研究計画局(DARPA)から新たに2100万ドル(約16億円)の資金提供を受けたことも発表しています。

SyNAPSEは、複雑な処理を並行して同時に行うだけでなく、環境に適応するコンピュータを目指しているとのこと。しかもこの処理を、あたかも人間の脳のように、極めて低い消費電力によって可能にするそうです。

IBMリサーチのプロジェクトリーダーであるDharmendra Modha氏は、「(このチップは)半世紀以上もの間コンピュータのアーキテクチャを支配しているノイマン型のパラダイムをシフトさせる最初の一歩となるでしょう」と語っています。

Modha氏はさらに「コンピュータのアプリケーションは将来、従来のアーキテクチャでは効率的に処理のできない機能についての要求がますます高まっていくでしょう。これらのチップは、いわゆる『電卓』から『学習する装置』への進化の重要なステップであり、ビジネス、科学、政治におけるコンピューターとアプリケーションの新たな世代の始まりを示しています」と、その重要性を強調しています。

こうしたチップで具体的に何ができるかという点に関して、IBMは例として、「世界中の水の動きを監視する認知コンピューティングシステム」を挙げています。センサーと作動装置をネットワークで繋ぎ、温度、圧力、波の高さ、音響と潮汐の状況を常に記録し、レポートすることで、確実な津波警報を出すことができるとのこと。あるいは、食料品店の在庫整理において、認知コンピュータを搭載した手袋を使って、見た目や質感、匂いや温度から、不良在庫にフラグを立てることができるようにすることもできるそうです。このような、めまぐるしい早さでリアルタイムに行われる情報の入力を処理するのは、現在のコンピュータにとっては困難ですが、脳をモデルにしたシステムでは可能になるだろうとのこと。

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この記事の内容から推測すると、「チップで具体的に何ができるかという点」は処理速度の向上のみで、アルゴリズムに関しては、ニューラルネットと何ら変わりがないと思われ、チップ自体もこれまでのニューロチップとどこが違うのであろうかと思わせる。


IBM、人間の脳を模した実験的な新チップを発表

 IBMは米国時間8月17日、人間の脳の認識力、認知力、行動力を模倣する新しい世代の実験的なプロセッサを発表した。これにより、人間の脳の働きに似た機能を備えたコンピュータは、これまでよりかなり実現に近づいた。

 今回の発表の3年近く前に、IBMおよび同社と提携する大学数校が米国防高等研究計画局(DARPA)から助成を受けて、人間の脳の認知力や認識力、知覚、相互作用、行動能力を再現し、大きさとエネルギー消費の面で脳の効率の良さを模倣する研究に取りかかった。

 この助成は、DARPAによる「Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics(SyNAPSE)」プロジェクトの第2フェーズの一環だった。IBMによると、目標は「複数の感覚様相からの複雑な情報を瞬時に分析するだけでなく、環境との相互作用の中で動的に自らの配線もつなぎ換えるシステム、それも人間の脳並みに小型で消費電力も少ないシステムを開発すること」だという。

 IBM ResearchのプロジェクトリーダーであるDharmendra Modha氏によれば、DARPAによる助成と、IBMの6つの研究所、5つの大学の研究者による多大な取り組みの初めての具体的な結果を、ようやく世界に示す準備ができたという。

 「今話している私の手の中にあるのは、ニューロンのような計算方式と、シナプスのようなメモリ、軸索のようなコミュニケーションを組み合わせた、認識力を持つ初めてのコンピューティングコアだ・・・これは実際にシリコンチップに組み込まれて機能しており、単なる『PowerPoint』を使った紹介ではない」とModha氏は17日に、CNETとの電話インタビューで語った。

 新チップ開発の2年前、Modha氏のチームは、大脳皮質と皮質下の部位の結合をすべて調べ上げるためのアルゴリズム「BlueMatter」の開発を終えた。このマッピングは、脳が情報をやりとりして処理する仕組みを真に理解するのに不可欠なステップだ、とModha氏は言う。

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「「BlueMatter」の開発を終えた」そうであるが、解析も終わったのだろうか。そちらの方に非常に興味がある。
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tag : IBM SyNAPSE BlueMatter

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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