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睡眠と記憶の定着


ジョセフ・ルドゥー著「シナプスが人格をつくる」からの抜粋

 多くの研究者は明示的記憶は刺激を最初に処理した皮質のシステムに貯えられ、海馬はその貯蔵システムに指示をを与えるのに必要なのだと考えている。たとえば、視覚的な場面の記憶がつくられるには、知覚情報が皮質視覚野から海馬周囲領域に送られ、それから海馬の回路に入ることが必要だ。処理された信号、つまり記憶はそのあと、海馬周囲領域を通って皮質視覚野にフードバックされるという。
・・・
記憶は当初は海馬に起きたシナプス変化によって貯蔵される。刺激となった状況のある側面がふたたび起きると、海馬が関与して、最初の刺激のときに起こった皮質の活性化パターンが再現される。再現のたびに皮質のシナプスが少しづつ変化する。再現は海馬に依存しているので、海馬が損傷されると最近の記憶が損なわれる。しかしすでに皮質に確立している旧い記憶は影響を受けない。旧い記憶は何度も記憶が再現されて、皮質のシナプスの変化が積み重なった結果である。皮質の変化のペースが遅いので、新しい知識の習得が皮質に確立された旧い記憶に影響を与えることはない。やがて皮質における記憶の痕跡は自給自足的になり、その時点で記憶は海馬から独立する。
・・・などの研究者たちは、記憶の定着は眠っている間に起こる、とりわけ、情報がインターリーブされて皮質のネットワークに少しずつ入っていくのは、睡眠中の出来事だと考えている。近年の研究はこの考えを裏づけしている。たとえばウィンソンとマクノートンはラットの海馬でのニューロンの活動を記録した。技術的に洗練された手法により、彼らはラットが新しい環境を探索しているときの、海馬のニューロンの活動パターンを精密に確認することができた。やがて、ラットが眠りにつくと、その神経活動パターンが海馬で繰り返されているようだった。まるでラットが、探索した場所の夢を見ているかのように。これは印象深い発見だ。睡眠中の海馬のプレイバックを皮質が読み取り、利用するということはまだ証明されていないが、既存のデータはその可能性を否定しない。
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tag : 睡眠 記憶の定着 海馬

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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