TPJと自我の位置

 側頭葉と頭頂葉の境界部分のTPJ(temporo-parietal junction)という脳領域は、視覚、触覚、そして身体の平衡感覚の情報が集まってくる場所で、それらの情報を統合し、外界を見ている「自我」の位置が、自分自身の身体とも相対的関係の上で計算され、導き出される、と考えられている。

 被験者の身体を2メートル後ろからビデオカメラで撮影し、3次元に再合成してゴーグルを通して被験者に見せる。被験者の体を棒で軽くたたくということを数十秒行うと、見えている自分の体の後ろに自分の自我があると感じる。しかしビデオ映像を遅らせるとそのようには感じない。

 自分自身の後姿という視覚情報と、身体に加えられる触覚情報が一致していることが、この映像を自分自身の身体だと認識するために必要なのである。

 私たちは目からの視覚情報、触覚などの体性感覚情報、身体の関節などの位置感覚情報、それから平衡感覚情報を統合することによって、自我の存在する(と感じられる)位置を決めているが、実際には、この自我というものは、少なくとも現実空間には存在せず、脳が作り上げた仮想的な存在(虚構)に過ぎない。

詳しくは、
心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)



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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : TPJ 自我

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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