言葉と脳と心 失語症とは何か



観念心像
(例:自分でもはっきりとはとらえがたい「感謝の思い」)
 ↓ ①想起・生成
センテンス音韻塊心像
(「アリガトウゴザイマス」というセンテンスの音韻をひとまとまりのカタマリとして意識する心の動き)
 ↓ ②分化
単語音韻塊心像
(「アリガトウ」「ゴザイ」「マス」など、単語について心の中で意識されるカタチ)
 ↓ ③分化
音節心像群
(「ア」「リ」「ガ」・・・などの音節のイメージ)
 ↓ ④展開
音節心像系列
(「ア」→「リ」→「ガ」・・・という音節の系列)


           心の中の単語生成の流れ

著者の仮説

ブローカ失語

人の言っていることはわかるが、言葉が出なくなる障害である。しかし患者はなぜか歌を歌うことはできることが多い。ブローカ失語は上図②の過程でなんらかの障害は発生していると考えられ、その障害は会話に固有の言語性プロソディ障害ではないかと考えている。

ウェルニッケ失語

流暢かつ無内容な発話を生じる障害である。自分の思いを音韻のカタマリ(音韻塊心像)の段階のまま、語や音節を系列立てて並べることなく、無傷のプロソディを持つセンテンス形式に乗せて口に出してしまうと考えられる。
また人の言っていることがわからないという言語理解の障害もある。理解できていないということも、患者はわからない(病態失認)。原因は相手から受け取ったセンテンスをその全体として受け取るだけで(自分の持っているあらあらの音韻塊心像には対応できる)、その音韻塊心像を語や音節に分解できないことにある。構成成分まで分節しないと正確な理解にならない、ということ自体が理解できない。

伝導失語

自分の言いたい単語が頭にあるにもかかわらず、実際に発話してみると違う音が出てしまう。本人はそのことに気づいており、何度も訂正をするができない。復唱に限らず、自発話でも、呼称でも、音読でも生じる。「伝導」の問題ではなく、上図③④(分節、展開)に問題がある。

このほか健忘失語や右半球損傷による言語障害など非常に濃い内容の本である。
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tag : ブローカ ウェルニッケ 伝導失語

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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