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視覚系の未解決の問題



「脳の情報表現―ニューロン・ネットワーク・数理モデル」
--- 4 視覚における脳内表現 --- から

1)情報変換の問題

低次の領野(例えばV1)の細胞はローカルで単純な特徴によく反応し、高次の領野(例えば下側頭皮質)では複雑なパターンによく反応する。それではその中間でどのような過程を経て、高次領野のパターン選択性が生じるのか。あるいはMTでは比較的限局した視覚領域の一様な方向の動きが検出されて、その次のMSTの細胞は大きな受容野をもち複雑なオプティカルフローに選択性をもっている。しかしMTとMSTの間ではどのようなメカニズムが働いてそのような変化が生じるのか、ということは何もわかっていない。

2)受容野の概念の変容と文脈依存性

視覚野ニューロンの活動は受容野から離れた場所の刺激からさまざまな影響を受ける。例えば受容野の周辺に受容野内と同じような刺激があると抑制が生じ、受容野内部と周辺との対比が重要であるということは以前から知られていた。最近注目されていることは、周辺からの影響が周辺刺激の構造についての複雑な情報に基づいているのではないかということである。受容野内の刺激が同じでも、ニューロンの活動がシーンの中での文脈によって変化するという意味で、文脈依存的修飾という言葉がよく使われている。例えばV1ニューロンの活動が、受容野が刺激中の図に位置するか地に位置するかによって変化するというのがその例である。

3)情報統合の問題

並列階層的な構成をもつ視覚経路で別々の場所で取り出された情報はどのように統合されて、整合性のある1つのシーンとして知覚されるのか。
例えば位置情報処理には頭頂連合野が関わっていて、物体の情報の処理には下側頭皮質が関わっているとすると、位置の情報と物体の情報を統合して、ある場所にある物体があるということを認知する仕組みはどのようになっているのだろうか。1つの可能性はそうした別々の情報が収束する場所があるのではないかということである。前頭前野には下側頭皮質からも頭頂連合野からも入力が収束していることが解剖学的に示されている。実際に場所と図形の両方に選択的に活動するニューロンが前頭前野で見いだされている。

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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 視覚 脳内表現

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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