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物忘れと方向音痴

 物忘れとは、忘れたという事実よりも、無意識に覚える能力に問題があると思われる。

 例えばどこかに眼鏡を置いたが、それをどこに置いたかということを思い出せない場合、通常眼鏡を置く時点で「意識的」に覚えるということはしない。「無意識」に眼鏡と場所を関連付けて記憶している。それを思い出そうとするときには、眼鏡から自動的に関連付けされた場所を想起できる。

 物忘れとは、無意識関連付けができなかった場合で、そのために想起ができなくなることではないだろうか。その関連付けが行われる場所は当然海馬であろう。

 方向音痴とは、目的地への道順が連続的に無意識関連付けされる能力が低い人に対する定義と考えられ、これは生得的にその能力に個人差があると思うが、メカニズムは物忘れと同じと思われる。
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 物忘れ 無意識 関連付け 想起 海馬 方向音痴

神経新生と記憶の転送

 海馬損傷(または切除)患者が、ある種の新しいこと(例えば人の顔など)を記憶できないにもかかわらず、昔のことは覚えていることから、海馬に蓄えられた記憶は、時間の経過とともに海馬から大脳皮質に転送されると考えられている。この期間は、マウスやラットでは1ヵ月、ヒトでは数ヵ月から数年である。

 マウスを用いて海馬神経新生を抑制(X線照射処置や遺伝子改変)すると、海馬から大脳皮質への記憶転送は遅くなり、神経新生を促進(豊富環境)すると、その転送は早まったそうである。

海馬における生後の神経新生が恐怖記憶の処理に関わることを発見

関連記事:
新生ニューロンと学習

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tag : 海馬 神経新生 記憶 転送

言語の遺伝子

 FOXP2という遺伝子で作られるたんぱく質の違い(アミノ酸2個分)が、チンパンジーにはない高度な言語能力を人間にもたらす、大きな原動力となった可能性あるという記事がでている。

人間の高い言語能力はチンパンジーと遺伝子わずか1個の差

 FOXP2言語と関係している遺伝子であるということは前から言われており、この遺伝子に欠落が生じた家系がイギリスにあり、文法障害があるという報告がある。しかし文法障害というよりも音を作るうえでの口の動きの障害と考えられている。

さらに以下のような仮説もある。

発声学習は鳥類とヒト、クジラではっきりと認められるが、その他の動物では見つかっていない。鳥類の脳と哺乳類の脳は基本的な作りが異なるが、発声学習はそれを超えた何らかの共通点を基盤にしているはずである。ごく最近の研究で、発声を学習する鳥とそうでない鳥とで、発声制御にかかわる脳の仕組みが異なることが発見された。発声を学習するカナリア、キンカチョウ、ジュウシマツでは、大脳皮質の運動野にあたる部分の神経細胞と、発声を制御する延髄の神経核(舌下神経核と疑核)とが直接連絡していることがわかった。

 一方、ハトやニワトリなど、発声を学習しない鳥ではこれらの間の連絡がない。この発見から遡って霊長類の脳神経系をみてみると、ヒトでは大脳皮質運動野の顔や口を制御する部分が延髄の疑核と直接連絡を持っているが、リスザルやアカゲザルではこの連絡がないことがわかっている。発声を学習しない動物では、延髄の神経核は、中脳から後疑核を経て連絡を受けているのみで、大脳とは直接つながっていない。

 これらの結果から、発声学習を可能にするには、大脳皮質運動野の顔や口の動きを司る部分と、延髄の発声にかかわる神経核とが直接連絡を持っている必要がある、との仮説がでてきた。」

脳科学の進歩―分子から心まで (放送大学教材)
より




 記事では
「人間とチンパンジーの全遺伝情報(ゲノム)の差はわずか1・2%で、それが知性や言語能力の大きな違いをどう生み出したのか、これまで謎だった」
とあるが、それは今も謎のままで、たった1つの遺伝子で解明できるものではない。

テーマ : 自然科学
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tag : 言語 FOXP2 発声学習 疑核

TPJと自我の位置

 側頭葉と頭頂葉の境界部分のTPJ(temporo-parietal junction)という脳領域は、視覚、触覚、そして身体の平衡感覚の情報が集まってくる場所で、それらの情報を統合し、外界を見ている「自我」の位置が、自分自身の身体とも相対的関係の上で計算され、導き出される、と考えられている。

 被験者の身体を2メートル後ろからビデオカメラで撮影し、3次元に再合成してゴーグルを通して被験者に見せる。被験者の体を棒で軽くたたくということを数十秒行うと、見えている自分の体の後ろに自分の自我があると感じる。しかしビデオ映像を遅らせるとそのようには感じない。

 自分自身の後姿という視覚情報と、身体に加えられる触覚情報が一致していることが、この映像を自分自身の身体だと認識するために必要なのである。

 私たちは目からの視覚情報、触覚などの体性感覚情報、身体の関節などの位置感覚情報、それから平衡感覚情報を統合することによって、自我の存在する(と感じられる)位置を決めているが、実際には、この自我というものは、少なくとも現実空間には存在せず、脳が作り上げた仮想的な存在(虚構)に過ぎない。

詳しくは、
心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)



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tag : TPJ 自我

なぜ眼球間闘争が起こるのか

 「眼球間闘争と意識の関係」に書いたように、左右の目に別々の画像を提示すると、被験者の意識に上る画像は自然に切り替わり、同時に見えることはなく、どちらか一方だけが見える現象である。

 なぜ同時に意識に上ることはないのだろうか。生まれてからずっと、同一空間に別のものが存在するという体験を一度も経験したことがないからであろう。

 眼球間闘争の実験を毎日行っていると、次第に見えるようになるかもしれない。

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tag : 眼球間闘争

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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