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Siriは強いAI(人工知能)か?

知人より下記の情報を提供して頂いた。

Siri誕生の逸話--開花した“強い人工知能”競争の行方

iPhone 4Sに搭載された音声会話を行う「Siri」。
Androidで同じような動作をする「Iris」(スペルが逆)。

 とにもかくにも、Siriの登場により人工知能は脚光を浴びている。それは海外も国内も同様だ。しかし、Twitterなどでボットを見かけたことのあるユーザーなら分かるだろうが、インテリジェントなボットの開発は容易ではない。Twitter上に無数に存在するボットは、単純なキーワードマッチにより定型句を返すものがほとんどだ。人工知能研究の世界ではそういった人工知能を“弱いAI”と呼ぶ。これに対し、文脈判断をしたり推論を行うような高度なものを“強いAI”と呼ぶ。両者には明確な線引きがあるわけではなく、感覚によるところも多い。だが、Siri以降の商用人工知能は“より強いAI”になっていくことは確実だ。


ネットにこぼれている会話をたまに見るが、果たして「Siri」を強いAIと呼べるのだろうか?

 では今現在、実際に商用利用されている“強いAI”はどんなものがあるだろうか。とてもいい事例がある。IKEAのウェブサイトである。スウェーデン語版のIKEAのサイトに「Anna」というサイトナビゲーターボットが2005年に登場した。開発元はスウェーデンに本社を置くArtificial Solutionsだ。彼らの発表によれば、開発費が当時の価格で約50万ドル、年間20%増加し続けていた問い合わせが、導入後には7%増加に抑えられたとのことだ。現在Artificial Solutionsは、日本を含む11カ国にオフィスを持ち、この分野では寡占状態にあると言える。


さっそくAnnaと話してみる。

Anna> イケアへようこそ!わたしはイケア・ジャパンのオンライン・アシスタント、Annaです。イケア製品やサービスに関する質問にお答えします。ご質問をどうぞ。

私> イケアの由来は

Anna> イケアの社名は、イングヴァルのイニシャル(I、K)と、彼が育ったエルムタリッド農場とアグナリッド村の頭文字(E、A)からとったものです。

私> これって単純なキーワードマッチだよね

Anna> すみません、質問の意味がよく理解できませんでした。もう一度違う言い方でお尋ねください。


弱い。

 国内企業で人工知能を扱っている企業は、ピートゥピーエーやアット・イー・デザインなどがあるが、数は少ない。市場が開拓されていないことに加えて、破綻のない会話を成立させるハードルが非常に高いためである。だが利用用途は広がっている。11月1日~2日に開催された「地方自治情報化推進フェア2011」では、富士ゼロックスシステムサービスが人工知能を使った架空の自治体サイト「F町ホームページ」のデモを行っていた。自治体サイトに人工知能を設置することによってナビゲーション効率を高めることができ、自治体キャラクターを生かせると来場者の注目を集めていた。


「F町ホームページ」は、提供が富士ゼロックスシステムサービス、開発がアット・イー・デザイン。この記事を書いた工藤友資さんはアット・イー・デザインの取締役。
「F町ホームページ」のきき丸くんと話してみる。

きき丸くん> こんにちは、僕の名前はきき丸くんです。F町での届出の手続き、F町での観光についてご案内します。「話す」ボックスに聞きたいことを入力してください!

私> F町の由来は

きき丸くん> F町は◯◯県◯◯群にある町です。役場は◯◯県◯◯群F町◯丁目◯番地にあります。

私> なんでF町なの

きき丸くん> すみません、僕いまの言葉がちょっとよく分からなかったので、違う言葉で言ってもらえますか?

私> これって単純なキーワードマッチだよね

きき丸くん> マッチ~、ウキっ。

私> はいはい

きき丸くん> うっ、すみません......、僕いまの言葉がよく分からなかったので、少し違う言葉で言っていただけませんか?


無茶苦茶弱い。

 Siriが開けてしまった強いAIの世界は、応用範囲がとても広い。PCやスマートフォン、フィーチャーフォンからゲーム機まで、プラットフォームを選ばない。今後、あらゆる企業で試行錯誤が始まるのを目にするだろう。競争はもう始まっている。


強いAIの夜明けはまだまだ遠い。
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tag : 強いAI 人工知能 Siri Iris IKEA

IBMのSyNAPSEプロジェクト

以前読んだ記事で、さして面白いと思わなかったが、やはり気になるのでメモしておく。

IBMがコグニティブ・コンピュータ向けチップを試作、脳の構造を再現

 米IBM社は2011年8月18日、「コグニティブ・コンピューティング・チップ」を試作したと発表した(発表資料)。コグニティブ・コンピューティングとは、人間の脳のように経験から学び、異なる事象間の関係性を見つけ、仮説を立て、記憶する機能を備えたコンピュータの概念。既存のフォン・ノイマン型コンピュータとは異なる、新しいコンピュータの開発を目指したもので、大幅に小型で低消費電力の演算回路の実現が狙いである。

 今回開発したチップは、神経生物学の知見に基づいて、ニューロン(神経細胞)とそれをつなぐ一種のスイッチであるシナプスから成る脳の構造を模した「ニューロシナプティック・コア」を備える。もっとも、有機材料などを用いているわけではない。Si材料でシナプスを再現することでメモリ機能を、ニューロンを再現することで演算機能を、そして軸策を再現することで通信機能を実現した。

 具体的には、IBM社は2種類の同コアを試作した。共に45nm SOI-CMOSプロセスに基づき、256本の「ニューロン」を備える。ただし、「シナプス」については、一方がプログラム性を備えたものを26万2144個実装したのに対し、もう一方は学習機能を備えたものを6万5536個実装した。

 そしてこれらにより、あらかじめ用意したプログラムなしに動作し、しかも分散処理、さらには並列処理を実行する脳の機能を実現した。既に、パターン認識、連想記憶、分類などの簡単なアプリケーションに使えることを確認したという。

 IBM社は将来的には、ニューロンを数百億個、シナプスを数百兆個備えながら、消費電力は1kW程度、体積は2リットル程度に収まるようにすることを目標とする。

・・・


ニューロンの数を256「本」だったり数百億「個」だったりと違う単位で記述している怪しい記事。
「あらかじめ用意したプログラムなしに動作」する生物は存在しないので、そんなチップはありえない。プログラムという言葉の意味するところが、私と違うのかも知れないが。
「パターン認識、連想記憶、分類などの簡単なアプリケーション」は、チップでなくてもソフトウェアで「使えることを確認」されている。


IBMが人間の脳を模倣して学習し環境に適応するコンピュータチップを発表

IBMが人間の脳を模倣して知覚や認知を行う、新世代のコンピュータチップを開発したことを発表しました。

高度なアルゴリズムとシリコン回路を使用して、人間のように経験から学習し、相関関係を発見し、仮説を立て、成果を記憶する「認知コンピュータ」をIBMは構想しているとのこと。今回の発表では、すでにそのプロトタイプのチップ2つが作成され、現在テストを受けていることが明らかにされています。

IBM Press room - 2011-08-18 IBM Unveils Cognitive Computing Chips - United States

現地時間の8月18日に発表されたプレスリリースによると、IBMは各大学の共同研究者とともに、ナノサイエンス、神経科学、スーパーコンピュータという複数分野の原理を組み合わせてこの開発を行ったとのこと。IBMは、この「SyNAPSE」と呼ばれるプロジェクトに対して、次の開発ステップのために、国防高等研究計画局(DARPA)から新たに2100万ドル(約16億円)の資金提供を受けたことも発表しています。

SyNAPSEは、複雑な処理を並行して同時に行うだけでなく、環境に適応するコンピュータを目指しているとのこと。しかもこの処理を、あたかも人間の脳のように、極めて低い消費電力によって可能にするそうです。

IBMリサーチのプロジェクトリーダーであるDharmendra Modha氏は、「(このチップは)半世紀以上もの間コンピュータのアーキテクチャを支配しているノイマン型のパラダイムをシフトさせる最初の一歩となるでしょう」と語っています。

Modha氏はさらに「コンピュータのアプリケーションは将来、従来のアーキテクチャでは効率的に処理のできない機能についての要求がますます高まっていくでしょう。これらのチップは、いわゆる『電卓』から『学習する装置』への進化の重要なステップであり、ビジネス、科学、政治におけるコンピューターとアプリケーションの新たな世代の始まりを示しています」と、その重要性を強調しています。

こうしたチップで具体的に何ができるかという点に関して、IBMは例として、「世界中の水の動きを監視する認知コンピューティングシステム」を挙げています。センサーと作動装置をネットワークで繋ぎ、温度、圧力、波の高さ、音響と潮汐の状況を常に記録し、レポートすることで、確実な津波警報を出すことができるとのこと。あるいは、食料品店の在庫整理において、認知コンピュータを搭載した手袋を使って、見た目や質感、匂いや温度から、不良在庫にフラグを立てることができるようにすることもできるそうです。このような、めまぐるしい早さでリアルタイムに行われる情報の入力を処理するのは、現在のコンピュータにとっては困難ですが、脳をモデルにしたシステムでは可能になるだろうとのこと。

・・・


この記事の内容から推測すると、「チップで具体的に何ができるかという点」は処理速度の向上のみで、アルゴリズムに関しては、ニューラルネットと何ら変わりがないと思われ、チップ自体もこれまでのニューロチップとどこが違うのであろうかと思わせる。


IBM、人間の脳を模した実験的な新チップを発表

 IBMは米国時間8月17日、人間の脳の認識力、認知力、行動力を模倣する新しい世代の実験的なプロセッサを発表した。これにより、人間の脳の働きに似た機能を備えたコンピュータは、これまでよりかなり実現に近づいた。

 今回の発表の3年近く前に、IBMおよび同社と提携する大学数校が米国防高等研究計画局(DARPA)から助成を受けて、人間の脳の認知力や認識力、知覚、相互作用、行動能力を再現し、大きさとエネルギー消費の面で脳の効率の良さを模倣する研究に取りかかった。

 この助成は、DARPAによる「Systems of Neuromorphic Adaptive Plastic Scalable Electronics(SyNAPSE)」プロジェクトの第2フェーズの一環だった。IBMによると、目標は「複数の感覚様相からの複雑な情報を瞬時に分析するだけでなく、環境との相互作用の中で動的に自らの配線もつなぎ換えるシステム、それも人間の脳並みに小型で消費電力も少ないシステムを開発すること」だという。

 IBM ResearchのプロジェクトリーダーであるDharmendra Modha氏によれば、DARPAによる助成と、IBMの6つの研究所、5つの大学の研究者による多大な取り組みの初めての具体的な結果を、ようやく世界に示す準備ができたという。

 「今話している私の手の中にあるのは、ニューロンのような計算方式と、シナプスのようなメモリ、軸索のようなコミュニケーションを組み合わせた、認識力を持つ初めてのコンピューティングコアだ・・・これは実際にシリコンチップに組み込まれて機能しており、単なる『PowerPoint』を使った紹介ではない」とModha氏は17日に、CNETとの電話インタビューで語った。

 新チップ開発の2年前、Modha氏のチームは、大脳皮質と皮質下の部位の結合をすべて調べ上げるためのアルゴリズム「BlueMatter」の開発を終えた。このマッピングは、脳が情報をやりとりして処理する仕組みを真に理解するのに不可欠なステップだ、とModha氏は言う。

・・・


「「BlueMatter」の開発を終えた」そうであるが、解析も終わったのだろうか。そちらの方に非常に興味がある。

tag : IBM SyNAPSE BlueMatter

パチンコで脳がリラックス

今朝のNHKの番組「あさイチ」で、

脳とギャンブル依存の関係

諏訪東京理科大学(長野・茅野市)の篠原菊紀教授によると、ギャンブルにハマっていくのメカニズムは誰にでも共通します。パチンコの実験では打ち始めはの血流量が増し活発に活動していますが、慣れてくると血流量は下がり落ち着いていきます。意外なことに、がリラックスするのです。

さらに、リラックスしている状態で、当たりやリーチが来ると血流量が一気に増加し、に大きな刺激が加わります。この時、脳の中でドーパミンが分泌され大きな快感を得られるのです。この快感は記憶として残りやすく、そのため、「また行こう」という気持ちが促進されるのです。


という特集があった。

パチンコで慣れてくると脳がリラックスする」とあるが、それは視覚刺激、聴覚刺激のいずれかまたは両方が関わっているのかなど詳細な検討がなされることを期待する。

さらにその研究成果を仕事の現場に応用できないか(リラックスし、かつメリハリがある工夫をするなど)と発展しないものだろうか。仕事中毒になっても困るが。

tag : パチンコ ギャンブル依存 ドーパミン

選択的注意と視覚的意識

選択的注意には早期選択モデルと後期選択モデルがあり、

両耳聴の実験結果より、注意の向いていない感覚入力が無視されることから、感覚入力処理の一連の過程のかなり初期の段階で選択が働くという早期選択説が唱えられた。しかしパーティなどで注意を向けていない会話からでも、自分の興味がある言葉がでると途端に知覚され、注意がその人の発言に向くことがある。注意を向けていない感覚入力も意味処理の段階まで処理され、後期の段階でブロックされるという後期選択説が提案された。


最近の研究では早期選択モデルが支持されているが、刺激が完全にブロックされるわけでもないらしい。

後頭部の電極で記録される誘発脳波の測定で、刺激開始後P1成分(P:positive、潜時:100ms)に、注意と刺激の位置が一致していたときの方が約2倍大きいという結果が得られた。これは注意の向けられていない刺激の処理が一連の処理過程の中の比較的初期の段階でブロックされるという早期選択モデルを支持する。しかし注意の向けられていない刺激による脳活動も小さくなるだけで0にはならず、後の処理段階まで弱いながらも伝わっていく可能性を示唆している。
注意を制御する脳部位の場所はfMRIで調べられ、手がかり刺激提示直後、まだ標的刺激が提示される前に、活動が高まった脳の領域は、下頭頂葉、前頭前野の背外側部、視床の視床枕であった。


また注意の移動にはそれぞれ別の脳領域が関わっているらしい。

空間的注意の移動には、解放、移動、捕捉の3ステップがあり、半側空間無視の患者の臨床テストから、頭頂葉損傷が注意の解放に問題があることを示唆している。またサルの実験から視床枕が注意の捕捉に関わっていることが示唆されている。


以上「認識と行動の脳科学 (シリーズ脳科学)」から



記事「一次視覚野の2つの活動ピークと意識の成立」で、

 画面上に一様な模様を提示して、それを見ているサルの一次視覚野の神経細胞活動を記録すると、最初の活動のピークは画面上に刺激を提示してから30ミリ秒後に起こり、100ミリ秒前後でまた活動が増加する。
・・・
 ヒトを対象とした磁気刺激という手法で、一次視覚野のふたつめの活動のピークだけを抑制すると、視覚刺激の判別能力が低下した。高次領域へ行った信号が一次視覚野に戻ってくることが、視覚的意識の成立に必要であることが証明された。


とあるが、2つめの活動のピーク(P1)が注意によるものと思われる。この「注意」の影響を分離したのが、記事「第一次視覚野が意識内容の変化に応じない」である。

関連記事:
一次視覚野の2つの活動ピークと意識の成立
第一次視覚野が意識内容の変化に応じない

tag : 選択的注意 早期選択モデル 視覚的意識 一次視覚野 P1成分 視床枕

第一次視覚野が意識内容の変化に応じない

ヒトの第一次視覚野が意識内容の変化に応じないことが明らかに:
定説を覆し意識の脳内局在説を支持する結果


注意による脳活動が従来研究の測定結果に干渉(意識内容に合わせて注意が同期して変動)していた可能性に着目し、新たに開発した錯覚刺激を用いて注意の影響を分離してfMRI計測を行った。その結果、ヒトの第一次視覚野意識内容の変化に応じないことが明らかとなり、定説をくつがえす形となった。


そうである。

では定説とはどういうものかというと、「初期視覚領域の活動と意識内容」に書いたような、

 右目に横縞、左目に縦縞を提示して眼球間闘争の状態にして、盲点に対応した一次視覚野の活動をMRIで測定する。左目の盲点に対応する一次視覚野の領域には左目からの入力は存在せず、常に右目からの横縞入力が入っている。ところが、この領域(左目盲点の一次視覚野)は被験者に横縞が見えているときだけ活動し、縦縞が見えているときには活動が低下する。同じ情報の入力があるにもかかわらず、その視覚情報が見えているかどうかによって一次視覚野の活動が変化している。


というように意識と一次視覚野の活動が同期しているという説であろう。

今後の詳細な追加調査を期待する。

関連記事:
初期視覚領域の活動と意識内容
網膜地図

tag : 一次視覚野 意識 脳内局在説 注意 定説

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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