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適応的運動学習と連続的運動学習



「学習と脳―器用さを獲得する脳」
--- 3 器用さの学習のメカニズム―ヒトでの研究でわかったこと --- から


適応的運動学習

適応学習では、感覚情報から運動への座標変換過程をさまざまに変化させて、それを適応するように学習する。視覚情報と到達運動の組み合わせが多いが、力の負荷を与えたりする場合もある。視覚も、シフトプリズムのように、左右に変位する場合もあれば、回転や速度の変化に適応する課題もある。

中枢神経系は身体の状態、感覚、運動にもとづいて、変換過程の内部モデルを用いて出力を計算すると考えられる。このような環境に合わせた内部モデルの変更を運動学習ととらえる。感覚運動変化における内部モデルには、順モデルと逆モデルがある。



連続的運動学習

連続運動の課題は、指定されたボタンを連続的に押す課題がある。この場合には、連続的な空間的な運動になる。空間的な連続運動以外にも、非空間的に異なる動作を順序に行う課題もある。最初に順序を覚えて行う場合と、試行錯誤で次第に見つける課題もある。

連続的運動課題ではその次の刺激が予測できるようになると、反応時間が短くなると考えられる。連続的運動課題において予測できるということは、これも順序動作に関する広い意味では内部モデルの形成とみなすこともできる。この際に獲得されるのは、学習に用いた運動順序、または順序の一部がまとまってチャンキング化(動作のグループ化)したものと考えられる。さらには、その動作順序を作り出す規則やカテゴリという抽象的なレベルの知識もあり階層的にとらえられる。




・手続き化の過程

最初は注意の必要な運動で、意識の介在が重要な宣言的知識、ないし明示的知識として学習を開始しても、練習とともに自動化が進み、次第に意識の努力を必要としなくなる。このように、練習とともに最初明示的知識であっても後に暗黙的知識に移行する過程を手続き化の過程と呼ぶ。



・再記述化の過程

発達の研究者には、最初は暗黙的知識として身につけるが、次第にその過程が明示的に意識して制御されるようになり、最終的には明示的知識として再記述される過程の存在を想定している。このような過程は手続き的知識、ないしは暗黙的知識の表象の再記述化の過程と呼ぶ。




・学習段階と関連する脳の部位

学習早期の段階では、連続的運動学習適応的運動学習のどちらも、大脳皮質の高次連合野、そして大脳皮質基底核系大脳皮質小脳系、さらに海馬などの広範囲の関連する脳の部位を巻き込みながら学習が進む。
学習が進むにつれて、次第に小脳と基底核の役割は分かれてくると考えられる。小脳系が運動の適応学習の固定化にとってきわめて重要であるのに対して、基底核系が運動の連続学習の固定化で重要な役割を果たすと考えられる。
さらに、基底核と小脳のシステムの中でも関与する部位の変化が学習初期と後期では異なることが報告されている。



関連記事:
系列運動の学習における視覚座標と身体座標
(系列運動学習とはこの記事の連続的運動学習と同じ)
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テーマ : 意識・認識・認識論
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 適応的運動学習 連続的運動学習 大脳皮質 基底核系 小脳系

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Author:sai
宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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