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情動の本性をめぐる百年来の議論



エモーショナル・ブレイン
「第3章 血と汗と涙」から


・ジェームズのフィードバック理論

刺激(熊) → 反応(走る) → フィードバック → 感情(恐怖)

刺激から感情への連鎖に関する問題へのジェームズの答えは反応からのフィードバックが感情を決定するというものだった。感情が異なると反応も異なるので、脳へのフィードバックも異なり、またそれはジェームズによると特定の状況でわれわれがどのように感じるかを説明する。

・キャノンの緊急反応

キャノンは、すべての情動に同じ自律神経系の応答機構が対応し、また自律神経の応答時間では個々の状況で愛を感じているのか、憎しみか、恐れか、喜びか、怒りか、嫌悪なのかどうかを説明するには遅すぎるとフィードバック理論を批判。

・シャヒターとシンガーの認知的喚起理論

刺激 → 喚起 → 認知 → 感情

シャヒターとシンガーは、フィードバックは、ある状況下でどんな情動を感じているか決定できるほど十分に特異性はないことを、キャノンと同様に受け入れていたが、しかしジェームズのように、それがまだ重要であると思っていた。身体的な喚起からのフィードバックは、何が起こっているのかを正確には示すことができなくとも、何か意味のあることが起こっていることを示す良い指標なのだと彼らは考えた。身体的な喚起に(フィードバックによって)気づくと、まわりの状況を探索するよう動機づけられる。その状況を認知的に査定することによって、われわれはその喚起をラベルする。喚起をラベルすることが、われわれの感じている感情を特定することなのである。シャヒターとシンガーによると、このように認知によって身体的喚起の非特異性と感情の間のギャップが埋められる。


・アーノルドの評価理論

刺激 → 評価 → 行動傾向 → 感情

アーノルドは、刺激が情動的反応や情動的感情を生起するためには、まず脳がその刺激の意味を評価しなくてはならないと論じた。評価によって行動傾向が導かれる。好ましい対象や状況に向かい、嫌なものからは遠ざかる。その感受された傾向が、このモデルで意識的な感情を説明する。評価は意識的でも無意識的でもありうるがその評価のプロセスを意識するのは、それが起こった後である。

・一般用評価モデル

刺激 → 評価 → 感情

アーノルドに続く今日の多くの心理学者は、情動的現象における評価プロセスの重要性を認めているとはいえ、彼らは行動傾向を伴った情動的感情についてのアーノルドの方程式を必ずしも受け入れているわけではない。ここで示した一般用評価モデルは評価が刺激から感情へのギャップを埋めていることを、単に示唆しているだけである。

・ザイアンスの感情優先理論

刺激 → 無意識的感情 → 感情

心理学の大勢に反し、ザイアンスは感情が認知に先行し、それとは別個に生じることを論じた。この仮説は論争の的となり、熱心に議論された。現時点ではっきりしているのは、感情的な処理は意識的に覚醒していなくとも生起しうるが、これは情動と認知が関連するかどうかはまた別である、ということだ。

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テーマ : 意識・認識・認識論
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エモーショナル・ブレイン 情動 感情

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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