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方位選択性と生体内ノイズ

「認知発達と進化」
P105 一次視覚野における自己組織的学習 からの要約

一次視覚野には特定の方位の線分に対して選択的に反応する細胞が存在する(方位選択性)。
垂直方向の線分しか見ることができないような環境下で仔猫を育て、一次視覚野に微小電極を挿入して神経活動を測定、大半の細胞が垂直方向の線分に対して反応し、水平の線分には反応しなかった。
この結果は、神経細胞の方位選択性の形成過程が、環境に全面的に依存しているように見える。
ところが、生後すぐのマカクザルの一次視覚野を微小電極を用いて調べてみると方位選択性を示す神経細胞が存在する。
これは方位選択性が遺伝的に決定されているように見える。

方位選択性の形成過程は生体内部のノイズ(神経細胞の自発的活動)に依存しているという新しい見方が田中繁によりもたらされた。

1) シナプス間の競合によってシナプス数の増加はシナプス密度が高いほど抑制され、その結果シナプスの密度はある値に収束する。
2) シナプスの安定化に必要な「シナプス前因子」は、神経細胞またはその近くのグリア細胞で合成され、軸索を通って輸送される。
3) シナプス前側と後側の神経細胞が同時に活動することによってシナプスが安定する(Hebbの学習規則)。

この仮定に基づきシミュレーションを行った結果、視覚経験が全くなくても、生体内部のノイズによって神経細胞の方位選択性が自己組織的に形成されることがわかった。
一方、シナプスの可塑性は生後も損なわれないので、方位選択性は生後も損なわれないので、方位選択性は育つ環境に応じて変化する。

これは発達を「遺伝と環境の相互作用」として捉える従来の見方に「生体内ノイズ」と言う新しい要因を付け加えるものである。



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tag : 方位選択性 一次視覚野

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宮城県出身。寅年生まれ。おうし座。B型。左利き。赤緑色盲。たそがれのプログラマー。

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